『暇人、、』
大学生という名の暇人が三人、、居酒屋で何を話す。
中身のない持論を語り、他の二人もたいした経験もなしに反論する、、。
各いう私もしがないサラリーマン、、嫁の小言から避難しこの場に至る。
わかるとおり話し相手がいないので、少々聞耳を立て面白そうな会話を探る。
そのいい鴨がみつかった、酒のつまみに三人の話を聞く、、。
親から仕送りもらってるくせに、誉めるどころかけなす始末。使い道がこんなところでは親も悲しむであろう、、。
話題がかわり、お互いの恋愛論へ、、。
どうやら「ミチル」がこの中では一番モテるらしい、、トイレへ行くついでに確認してみるが、たいした事はない。細身でメガネ、ファッションだけ今風にキメている。
世の女性人!!考え直せ!!
ハンカチを口に加え、手を洗いしなそんなことを熱望する、、。
席へ戻るとまた話題がかわっている、彼等の統一性のなさにあきれ返ってしまう、、。
内容的にはこの近くに、あるスポットがあるらしい、、。
途中から聞いたので詳しくは判らないが、なにやらこれから向かうらしい。
私、暫し興味がわく、、。
そそくさと会計を済ませ、彼等を尾行することにした、、。
、、最寄りの駅へ行き着き電車ヘ乗り込む。
時間が時間なので人は少なく尾行がばれないか心配したが、やはり酔っ払い。気付く訳がなかった、、。
通勤でいつも使っている電車だが、彼等が降りたその駅に見覚えはなかった、、。
『かぞえ』
かすれた文字で記され、その立て札を照らすはずの電灯も弱々しく、片方は既に消えていた。
こんなところに駅員など勿論いるはずもなく、そのまま駅を離れる。
一応感ずかれないよう離れ様子を伺う、、残念なことに彼等の声は聞こえず、どこに向かっているのか些か不安になってきた、、。
歩く道は未だ舗装さえされておらず砂利を踏む音が騒がしい。
それほどの静けさだ。
脇の荒れた田んぼを横目に見失わないよう目を凝らす。せっかく補充したアルコールも覚めきってしまっていた、、。
十分程の道のり、、目的の地であろう建物が現れ始めた。
病院?、、、彼等はその中に吸い込まれていった。