『暇人、、?』
プルル、、、ル、、。
いきなりの着信で一人あわてふためく、、嫁からだ、、。
彼等の姿はもう見えなかったので隠すことなく電話にでた。
早く帰ってこいとのこと、ただでさえ抜けたアルコール。更に追い討ちをかけられ、シラフに戻ってしまった、、。
そのことだけ伝えればよいものを、、、携帯からは愚痴が響く。
その内、今度は周りから嫁の声とは違う叫び声が聞こえてきた、、。
私、何事かと辺りを探る、、、声は次第に大きさを増す。
居酒屋で聞いた声だと認識するまで時間は掛らなかった、、。
ヤバイっ!!すぐに帰ると言い残し、病院らしき建物へ急ぐ!!
尋常な悲鳴ではない!
恐怖心もさながら声のする方へ、、。
暗い闇の奥から一人走ってくる者がいた。
しかし彼は私の存在に気付く様子もなく、猛スピードで通りすぎてしまった。
他の二人はどこへ、、更に奥へと。
「大丈夫かー!?」
と一声、、コダマとなり病院内を駆け巡る。
誰も反応してはくれなかった、、。
建物は思っていたよりも広く、私の現在地さえ消し去ってしまうかのような独特の空間を帯ていた、、。
!!、、、何かにつまずき、思わず声が出る。、、軟らかい木の枝だ、、先っぽは五つに枝分かれ、折れているところからは血が流れていた。
私はオエツと同時に走り出しそこから離れた!!
途中、、折れた大根、毛が生えた果実など、けして元人間の一部ではないと自分にいい聞かせながら似たような通りを過ぎる、、。
が、、私の前に人が現れた、、。
立ち止まり、恐怖で顔がひきつる、、。
そこにはあの「みちる」がいた、、。
女の子と手を繋いで。
女の子の手だけ繋いで。