ずずずずん･･･!!
遠くの方で地なりが聞こえた
遠くでの地なりとはいえ ここでもカナリ揺れる
[あっちは････門の方だ!!]
揺れだけで方向が分かるはずもないが、あちらから大声が同時に聞こえてきた
絶対青だ
ｻﾞｯｸがおもむろに地に置いていた二本の刀を無造作に掴み、腰のベルトに差し込む
同時にｸｰﾛﾝにもアイコンタクトで準備を促した
[ハイハイ･･･]
言われなくとも準備は万端なようで
すでに大声(青の)の方向に歩き出しているｸｰﾛﾝ
[やる気満々じゃねぇの、ま。愛するハニーが助けを待ってるもんな]
軽くからかったつもりだったが ｸｰﾛﾝの表情は険しかった
いや、聞こえていないのか････?
意外な反応にｻﾞｯｸは一瞬戸惑ったが すぐにｸｰﾛﾝが走り出したので慌ててそれを追った
[最近お前おかしいぜ!!なんかの病気か?!]
走るｸｰﾛﾝの横にピッタリつき、
今度はちゃんと聞こえるように大声で叫んだ
[そうかなぁ････、あ･･。でも最近さ、声が出にくいんだよね]
にこやかに微笑みながら答えた
[へぇー。んじゃ、耳とか]
しつこく聞いてくるｻﾞｯｸを怪しい目で見ながらも ちゃんと質問には答えてくれる
[あぁ、前はね。声が出にくくなってきてから大分マシになったかな････それがどうしたのさ]
最後は険しい顔で切り返す
いつになく睨まれたが。どことなく力がなかった
[ぃんや。聞いてみただけ]
うまいこと疑問の槍をよける
そ。とだけ言い、いつもどおりに微笑むｸｰﾛﾝ
この時点でｻﾞｯｸの不安は８０％的中してしまった
[(やっぱりｸｰﾛﾝは耳のかわりに声を無くしてるってことか･･･)]
そう
しかもこのままいけば。ｸｰﾛﾝは完全に
[(声を失う･･･)]
[(知ってるんだ。自分でも!!･････でも、これ以上みんなに迷惑かけるわけには･･････)]
ｸｰﾛﾝは歯を食いしばり、俯きながらひたすらに走った
普通にしていなければ心配をかけてしまうから
またみんなに
迷惑をかけたくないから
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