『おはよ…』
克也が後ろから話しかけてきた。
『あ、う、うん!おはよ!』
ビックリしながら急いで返事をするあたし。
ホントに友達に戻ったんだ…。
何気ないあいさつだけど『学校で話す』という行動が二人の完全な別れを意味していた。
休み時間になると、前みたいにあたしをからかう彼。
あたしも負けずに嘘だらけの明るさでそれに答える。
恋人の時にもこうしたかったよ。
どうやら彼はもうフッ切れて、噂によれば年下の子を好きだとかなんとか…。
『舞!いいじゃんあんな奴!忘れな!』
友達の香苗が落ち込むあたしに元気づけようと励ましてくれた。
あたしも『だよね!もういいし!』
なんて…
心にもない言葉を返してしまった。
あたしは彼を忘れられないまま、卒業式を迎えた。
二人で同じ高校に進学する約束(電話で?)も叶う事なく…お互い別々の道に進んだ。
あたしは未練タラタラのまま高校に入学し、共学に進んだのに、彼を忘れられず…
新しい恋を探す事もせず、友達とバカ騒ぎの毎日を送っていた。
だけどそれはそれで楽しかった。
高校に入ってから、たくさん友達ができたし中学校から一緒の友達もいたし。
あたしは恋愛はしばらくおやすみにしようって思った。
恋愛する気をなくしたあたしは女を捨てていた(^_^;)
大声で騒ぐの当たり前
3時間目が終わった後の早弁なんて当たり前
お昼寝も当たり前…
学校に何しに来てんだって感じなんだけど、スポーツ大好きっ子のあたしは、ソフトボール部に入部し、授業をサボる事はあっても部活をサボる事はなかった。
そんなあたしに寄ってくるのは男の子よりも女の子が多かった。
恋愛に興味を無くしたあたしには女友達が増えていく事が楽しかったし嬉しかった。
だから、言い寄ってくれる男の子の気持ちは嬉しかったけど
『あたしなんて辞めといた方がいいよ』
なんて冷たい言葉でお断わりしたり…。