ニヤニヤする男子を愕然と見つめる。
うそ…あんなとこ見られてたの?
私どんな顔してたんだろ……恥ずかしい!!
「わぁレイちゃん顔真っ赤!」
「ぅるさぃ〜!」
顔から火が出そう。もぅ最悪だぁ。
「あのあとタクシーでどこ行ったの〜?」
「そんなの決まってるだろ!」
「キャーえっちぃ〜!!」
盛り上がる生徒たち。
あぁどうしよ〜!
なんとか鎮めようと顔を上げた時―――シンと目が合った。
椅子に深く背を預け、無表情にただ見つめてくる。
感情が読み取れない。
なんなのよ……もぅ。
絡み合う視線を断ち切って、私は授業を始めた。
授業中もずっと感じる視線。
でも見れるわけないし。
しかもシンの隣は赤木さんだ。
今その2ショットを見るのはさすがに辛い。
キーン…コーン……
やっとチャイムが鳴った時は、涙が出るほど嬉しかった。
チャイムと同時にシンが立ち上がる。まっすぐにこっちを見て……近づいてくる!?
「レイ………」
「シン!!」
シンの声を遮ったのは、赤木さんだった。
今だ!
私は慌てて教室を飛び出した。
シンの声が聞こえた気がしたけど、止まれない。