-2月-
少しの寒さを感じながら、うとうとと眠たい目を開ける。
「…ぅ―――ん」
そばに置いてある携帯の画面を覗き込んで
「えっ?やば…っ」
7時40分
集合まで、あと20分しかないじゃん!!
「お母さんっ!時間ないじゃん!!パン注するからお金ちょ-だいっ」
「遅くまで、携帯構ってるからでしょ?ご飯は?」
「時間ないしっ行ってきます!」
私の朝はいつも慌ただしい。
夜中までメールしたり、遊んだりしてるせいだって事は分かってる。
明らかに睡眠不足の今の私の頭の中は
遅刻はヤバい。友達待たせるのもヤバい。
ただそれだけしか考えられない。
途中1回車にチャリがぶつかりそうだったけど
何とか間に合ったぁ-………
「ごめん!彩、待ったぁ?」
「いいよ、大丈夫。 笑」
学校に向かいながら、隣の組にいるカップルが昨日別れた話を聞かされ
彼氏欲しいなぁぁ!って言い合った。
ほんとは、そんなに欲しい訳じゃないんだけどな-……
それは、本音。
彼氏とか、必要ないと思うし、ケンカとかするのも嫌だ。
そう。
まだ、あの頃は誰かと付き合うという事すら、自分には無縁の話だと思っていたのだ。