なんだよあれ?
あれが
オニなのか?
勇と少年の目の前にはドアを突き破って入って来たオニが立っている。 しかしそのオニは勇が想像していたオニとは全く違う者だった。
灰色の肌、頭の角、赤い目をしているが驚くべき事は人間の形をしているいや、肌と角と目以外は全て人間と同じと言ったほうがいいだろう。
「オニだぁ!!殺されるぅ〜」
少年は恐怖のあまり泣きわめいている。
「こいつが・・・オニ・・・」
ドス!!
ぼう然としていた勇にオニはパンチを食らわして来た。腹に激痛が走る。
『いてぇ・・・何て馬鹿力だよ。何回も食らってられねーぞ。』
勇はなんとか体制を立て直してオニから離れた。接近戦では勝ち目は無い。
そして勇はナイフを構えた。
「オラァ!!こっちには刃物があるぞ!!オラァどうした?」
勇は相手が逃げる事も期待して脅しをかけるが効果は無い。相手が化け物の場合実力差があり過ぎて脅しが効かないらしい。
「ァガアァア!!」
今度は化け物はうなり声を発しながら勇にタックルしてきた。勇はあまりにも大胆な攻撃に何も出来ずに強引に押し倒される。
ドス!ドス!ドス!ドス!・・・
オニに拳の嵐を浴びせられる。
『だめだ・・・もう・・・死んじまう・・』
意識が薄れていく・・・
「やぁあぁああ!!」
「ギャアァアァァ!!!」
気が付くと拳の嵐は止み、のたうち回り張り裂けんばかりの声で悲鳴を挙げているオニがいた。
床に血が付いている。そして血の付いたナイフを持った少年の姿があった。
『よく考えりゃ二対一だ勝て無い事は無ぇ!』
「ラァアァァ!!」
グサ!!
勇はのたうちまわり隙だらけの化け物の首にナイフを突き刺す
グサ!
一回でなく何回も
グサ!グサ!グサ!グサ!グサ!グサ!グサ!グサ!グサ・・・