『好きなんだ、付き合ってほしい…』
相手に目も合わさず、下を向きながら顔を真っ赤にさせてそう言う少年。
『えっ?!』
突然の告白に戸惑った様子の少女
『『………………』』
重く長い沈黙が2人を包みこむ。
『…あのさ』
長く続く沈黙の中
先に口を開いたのは
少年の方だった。
『もし何年か経っても、俺がまだ由衣の事好きだったら……そしたら付き合ってくれる?』
『!?』
そう言って少年は少女の
手に触れた。
『指切りげんまん嘘付いたら針千本の〜ます、指切った』
少年は少女に笑顔で微笑む。
『でっ、でも…』
『…約束だからな!』
少年はそう一言いうと走り去ってしまった。
それが彼と会った最後の日。あの人はそんな約束を残して、遠く遠く離れたどこかへ行ってしまった。