「お前は半妖だ。ニンゲンでも、妖魔でもない中途半端な存在。」 妖魔の君・・・オルロワージュは半妖の彼女に言い放った。 オルロワ「貴様は馬車にひかれ、死んだ。」 死んだ?アセルスは困惑した。なら今の私は・・・ オルロワ「そして、お前は私の血で半妖半人として生き返った。」 半妖半人・・・人間でも妖魔でもない。私が・・・ オルロワージュは絶望と困惑の半妖をちらりと見るとイルドゥン、とアセルスを王の間まで連れてきた深緑の髪を持つ上級妖魔を呼んだ。 オルロワ「コイツの教育を頼む。・・・白薔薇も呼んでおけ。」 イルドゥン「はっ、・・・」 オルロワージュとその側近たちは消え去った。美しすぎる笑いを残して。 イルドゥン「おい、半妖。ついてこい。」 今だに困惑しているアセルスに言い放つと、さっさと通路に歩いていった。 アセルス「・・・」 無言。いや、話すことがない。アセルスはイルドゥンのあとを沈黙のままついていくと、薄暗い大部屋に行き着いた。