善悪?

森田  2007-02-06投稿
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亜裕実と聡、三人で学食を食べに食堂へ来た。


聡『で、どうだよ?琴海ちゃんとは仲良くなれそうか?』


空いているを探して歩いていると、聡が話しかけてきた。


亜裕実『………』


赤実『なんで友達にならなきゃならないんだよ』


正直転校生なんかにゃ興味はない。


聡『あの子なら赤実のこと知らないから、仲良くなれると思ったんだぜ?』


亜裕実『そういうものなの?』


恐る恐る亜裕実が口を挟んだ。


聡『だってこいつ、友達いないじゃん』


亜裕実『それは、そうかも知れないけど…』

赤実『別に無理して作るもんじゃないだろ?』


俺は嘆息しながら肩をすくめて見せた。


聡『そんな態度だから、友達だできないんだろ』


赤実『だから、無理して作るもんじゃないだろ』


亜裕実『うんうんっ、無理して友達を作る必要はないよね』


何故か、亜裕実が安心していた。


聡『そんな、亜裕実ちゃんまで』


亜裕実『あ、えと…誰かと仲良くなるのは赤実くんの自由だし、それが嫌いな人だったら、なお更だよ』


聡『…それは、そうだとさ』


おぉ!亜裕実が聡を論破した!


赤実『よく言った、亜裕実』


頭を撫でてやる。


亜裕実『えへへっ』


聡『…暗い奴』


赤実『…っ…雑談は終わりだ』


学食に向かうのは、俺達だけじゃない。


学園の食堂とは、全校生徒が入り乱れる戦場なのだ。


赤実『ちっ…出遅れたぶん損したか』


混雑する学食を見て、毒づく。


普通に並んで買うなんて規則、誰も守っちゃいない。


聡『よっしゃ、行くぞ!』


バカが特攻していく。

赤実『亜裕実、席二つ頼んだ』


亜裕実『聡くんのは席は必要ないんだね!了解!』


聡はどうせ、帰ってはこないだろう。








俺は今日の戦利品、日替わり定食を口に運ぶ。


亜裕実『おいしいなぁ』


俺が一緒に買って来た日替わり定食を食べ、感想を漏らした。


聡『やっぱうどんは日本の心だよなぁ』


運よく学食を買えた聡が、うどんを啜る。


赤実『聡、なんか言いたいことないか?』


聡『別にない…気にしないでくれ』


聞かれたくなかった事を問われた様だ。


聡『足、疲れないか?』


聡『…ほっといてくれ』


切なそうな顔になる。

赤実『素直に席くださいって言えよ』

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