バッチャンの故郷は家から結構離れており、移動だけでも時間とお金がかかった、、。
今月の買い食いはお預けか、、、たいした金額ではないことが伺える。
電車で揺られ、広がる田畑をボーッと眺め。
もう一度事件と歌の整理をしてみた、、。
『いっちょこ、、街すれ 人はなれ』
街すれとは、廃れた町。
バッチャンのいた村、、。
人はなれとは、もうその村に人は住んでいないと詠める、、。
『にぐるま、、あれはて やまいトコ』
あれはて、やまいトコ。
つまり廃病院、、。
『さんげん、、ふざけた わらし子が』
ふざけて肝試しに行った人たちのことだろうか、、。
『しもぜれ、、呪われ おっちんだ』
祟りにあい、、死んだ。
『ごんげん、、そこへは ちかよるな』
この唄はそこへ近寄ってはならないと言う、先代からの教えではないか、、。
余りの類似に私はニヤける。
しかしまだ憶測に過ぎないので、なんとか手掛かりを掴まねば。
変な闘志が燃えた!!
だが、緊張はすぐに消え。私は眠りについていた、、。
「次は ×××、、」
渋い声の車掌、、。。
、、!!私は飛び起き、駅を過ぎたことに気付く、、。
無駄な時間を過ごしてしまった、、。
折り返す車内でそんなことを感じていた。
『かぞえ』駅に到着。
太陽は真上から、そろそろ山に隠れようと位置をズラシ始めていた、、。
病院まではさほど離れてなく、迷う事はなかった。
けして、一本道だからと言うことではない、、。
そよ風とセミの鳴き声をやかましく思いつつ病院へ、、。
中は静まり、掻いた汗もすぐに乾くほど涼しい。
通る所々に、よくテレビで拝見するテープが張られ、行き道を塞いでいた。
もう警察の調べは終了しているようだった、、。
いかんせん素人な私は、これといった証拠も掴めぬままコタツにつまずき。
その場を離れた、、。
また暑い道のりを帰るのか、、憂鬱に浸りながら病院をあとに。
セミのざわめきが復活する、、その中に手まりをつく音が混じっていた気がした。
帰りの電車にて、あの歌を口ずさむ、、。
帰り道途中で、犬の散歩をしてる子と擦れ違う、、。
一礼をし通りすぎる私を、犬がじっと見つめていた、、。