「嘘だろ…アカギが撃沈!?宣戦布告!?」
「俺たちは一体どうなるんだ…?」
「多分…士官にはなれないから職を失うわね…」
「じゃあこの艦はどうなる?」
「軌道上で武装解除してから帝国に引き渡されるはずね」
「あっ、みんなっ、窓から外を見てみろよ」
艦から小型艇が射出され軌道港に向かっていた。
「くそっ、現職の人間を先に退艦させて俺らは後かよ…ナメられたもんだな」
「なぁ…レコアはもう守るべき星じゃなくなったのか…?」
「事実上は…ね」
士官候補生たちは絶望と屈辱の顔色で歪んでいた。
「なぁ…俺はアカギの仇を討ちたい!!やられっぱなしじゃ気が収まんないぜっ」
「何言ってんのよ!?私たちだけでこの艦を動かせると思ってんの!?」
「でも悔しいじゃねぇか…こんなコトって…俺たちの夢やアカギの乗員の命を奪った帝国に屈するなんて!!」
「あぁ…俺も悔しい…せめて…アカギを沈めた帝国のピサロだけは沈めてやりたいっ」
「私も…
「俺もだ…
そんな声で食堂がざわめいた時だった
「みんな変だよっ!!私たちはまだ学生なんだよ…それなのに仇を討つとか…おかしいよっ!!」
「別にいいじゃないか、養うべき家族だっている訳じゃないし」
「養ってくれている家族がいるわ!!それにこの艦だって帝国に引き渡されるっていってもUSIを仲介してでしょ?無理よ…」
その説得力のある言葉に一同は圧倒され場は静まりかえっていた。
「いや、無理じゃないさ」
そんな声が聞こえてきた。
「はぁ?どういうコトだよ?島崎ぃ」
「だから無理じゃないって言ってるんだよ」
「どういうコトだか説明してみせろよ」
「要はこの艦を僕たちが買い取ればいいんだろ?」
「島崎君、この艦は軍艦だよ?私たちのお小遣いで買える値段じゃないんだよ」
「分かってるさ、僕たちじゃ確かに買えない…だから買ってもらうのさ」
「はぁ?誰にだよ?」
「地球政府さ」
候補生たちは驚いた、何故なら地球政府は今回の帝国の侵略行為に関しては無関係を通していたからである。
「冗談だろ?地球政府が買ってくれる訳ないだろ!!」
「大丈夫さ、考えはちゃんとある」
続く