いきなりくしゃみが出た。頭に響いた。気を失う原因になった、脚にも激痛が走ったが、さっきよりはましだった。僕がくしゃみをしたから、みんなが気付いた。
「大丈夫か、湧?心配したぜ。このまま逝っちまったら、オレまた独りになっちまうところだったよ」
最初に話し掛けて来たのは、友達の大紀だった。大紀は、鼻水を出してひっついてきた。
「やめてくれ!頭に響く!それに汚いし」
「悪い。でも良かった。お前が元気で。本当に良かった」
大紀が僕から離れた。今度は、母さんが話し掛けてきた。
「湧、あんた大丈夫なんだね?母さん心配したんだよ!父さんも大紀君も心配してたんだからね。本当に、生きてて良かったね」
「そういや、なにがあったの?」
今度は、父さんが話し掛けてきた。
「湧が乗ってた、電車が事故を起こしたんだ。結構な事故で何人かが亡くなった。生き残ったのは、湧と湧の隣のベッドにいるそこの女性と、あと何人かだ」
父さんは、まだ涙目だった。いつのまにか、姉さんが来ていた。姉さんは、髪が乱れまくってた。姉さんは、息をきらして僕に話し掛けてきた。
「馬鹿!母さんや父さんに心配かけて!でも、良かった。あんたが死んでたら、あたし、泣くよ」ぼろ泣きだった。続