「ふ…ふふ……。」
笑いを耐えきれない!
この辺で勘弁してやるかぁ。
「弟よ。」
頭を撫でながらそう告げると、シンが眉を寄せた。
探るように私を見つめ、
「嘘つき…。」
「へ?」
予想外の反応に私は驚いて声を上げた。
シンは言おうか言うまいか迷ったみたいだけど、私の間抜け面を見てぽつりと話し出す。
「……昨日、お前に電話したらそいつが出た。」
あぁ……そういえばタクシーで朦朧としてた時着信音が鳴ってたような……。
タカシ出たんだ。
あ、朝言いかけたのって多分そのことだろうな。
なんて一人で考えていたら、シンが更に小さい声で続けた。
「聞こえたんだ……そいつの声に紛れて、レイコの声。」
「私の?」
え〜何言ったっけ!?
全然思い出せない。
っていうかあん時ほとんど意識なくて、その中でもシンのことしか考えてなかったはず。
あ………まさか………?
「愛してるってーーー。」
「キャーッッ!!」
思わず悲鳴を上げてしゃがみ込む。
ははははずかし〜〜!!!
あれ、声に出ちゃってたんだ!!
しかも本人に聞かれてるし!!
ありぇない〜っ!!