「ちょっと話さんか？？」
なだめるように言う彼に怒りがこみ上げた。
「何を話すん？？やりたかっただけやん！！そうゆう女と思っとたんだろ？軽々しく好きになったとか言わんといて！！」
私の中でさらに怒りがこみ上げてきた。涙は止まらず、自分でも何を言っているかさえ分からなかった。
「ウソとちゃう！！やりたかったんは事実やけど、軽い女とは思ってない！！ホンマにお前の事好きやし！！」
「そんなん信用できん！！ほっといて！！」
そう言い放ち、立ちすくむ彼に背を向け、私は激痛がはしる足を押さえ走った。
しばらく走り、近くの公衆電話から由梨恵に泣きながら電話をした。５分くらいで由梨恵は来てくれた。息が切れるほど必死に走って来てくれた由梨恵に私は泣きながら抱きついた。彼女は何も言わず私を優しく抱きしめてくれた。気持ちも少し落ち着いた頃、由梨恵のポケベルが鳴った。
『イマドコ？カズ』由梨恵は少し考えた末、『返事を返す』と公衆電話まで行った。私は星空をずっと眺めていた。何分たったのだろうか、由梨恵が帰って来た。
「マサと話したんやけど、美咲ともう一回ちゃんと話したいって。謝りたいって。どうする？？近くにおるって。」
「話って．．．。何かもう分からん。」
「もうマサの事嫌い？？顔も見たない？？」
「分からん。自分がどうしたいかさえ分からん。」
「マサの話聞くだけ聞いたら？？ほれからどうしたいか考えたらええやん。てかもう奴ら来てるし。」
５メートルほど離れた所に彼等の姿があった。
「あっちで待っとくな。」
由梨恵と交代するようにマサがゆっくり歩いてきた。
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