「………パパと……」
力ない笑いがもれた。そして、続けて言った。
「本当は男と酒はダメって言われたんだけどね…。」ジョージは差し出していた手を戻し、ビールの口を開けた。
プシィュｯｯ
爽快な音。
ビールを一口飲む。
「…だからあんな紙まで作った訳…。」
「…………そう。」
少し恥ずかしくなった。
自分でもなんでこんなに必死に約束を守ろうとしているのか、不思議だった。
「まぁ、半分破ったようなもんだけど。」
笑いながら言った。でも、口にすると、余計に罪悪感がわいて居心地が悪くなった。
「………そ。」
なんとなく、気まずい沈黙が部屋にこもる。
私が変な事を言ったから……。
「…気にしすぎじゃない。」
ジョージが言った。
「……………。」
いきなりで驚いた。
てっきりこのまま違う話になるんだと思っていた。
……けど、違った。
「繋ぎ止めておきたいんだろうけど、サラだってもうそんな年じゃないだろ。」「…………。」
ジョージが言った事は…まさにその通りだった。
「そろそろ終わりにしろ。」
何も言えなかった。
こんな話をしたのも、こんな事を言われたのもジョージがはじめてだったから。
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