護衛艦ゲンジ…ブリッジ
「敵艦の解析が終了しましたっ!」
「そうか、正面モニターに写してくれ」
「はい、モニターに写します」
「これは…」
「まるで移動砲台みたいだな…」
「これは、帝国の巡洋艦リザードと思われます」
「リザードの武装は分かるか?」
「はい、装備は80口径プラズマキャノンが一門、接近戦用パルスレーザーが一門です」
「問題はプラズマキャノンか…。射程はどれくらいだ?」
「恐らく…5光年弱と思われます」
「本艦より長いな…」
「射程だけでなく威力も敵艦のがあると推測されます…」
「なぁ、この円盤みたいなやつはなんだ?」
「遠心重力加速装置だと思います、プラズマキャノンの収束率を高めるためにあるんでしょう」
「こんな相手とどうやって戦うんだ?」
「戦闘予想宙域には小惑星がありますからこれを盾にして接近戦に持ち込むのはどうですか?」
「他にいい手はなさそうだな…よしっ、香月の案でいこう!」
「高井、六連装レーザーキャノンに換装してくれっ」
「あいよっ、それとさ…その名前は長いからマグナムって呼ぼうぜ?」
「考えておくよ」
惑星国家連邦所属巡洋艦リザード…ブリッジ
「ゲンジが射程圏内に入るまで5分」
「プラズマキャノンのチャージを開始しろっ」
「了解、遠心重力加速装置を起動。プラズマキャノンのチャージを開始します」
惑星ネット…中継船
「間もなく元レコア政府所属護衛艦ゲンジと惑星国家連邦所属巡洋艦リザードとの戦闘が始まろうとしていますっ、この放送は完全生中継でお伝えしたいと思います!!」
護衛艦ゲンジ…ブリッジ
「機関第二戦速っ、左舷前方の小惑星の陰に隠れる」
「マグナムの換装が終了、射撃準備完了っ」
「砲術長より艦長に射撃許可を要請する」
「許可する」
「マグナムにエネルギーのチャージを開始っ」
「敵艦の射程圏内に突入15秒前」
「艦表面の放熱システムを起動、表面温度のコントロール開始します」
「対レーザー用撹乱膜を展開しろっ」
「了解っ、カスミを展開しますっ!!」
続く