学園から来た異世界は、何世紀も後の未来の世界だったわけで。
タロットの奇跡。 6
「何百年って・・・ど、どんくらい?」
馬鹿な俺は、思わず意味不明な質問をした。
鏡はさらりと答えた。
さっすが俺の幼馴染。俺の意味不明な質問にも慣れているようだ。
「見た所、軽く500年は先に行っているはずです」
「ご、ごひゃくねんですか」
500年ってーと、5世紀先に行ってるんだろ?
俺等の世界が21世紀。それに5足すと・・・
「26世紀!?」
うわービックリ。
1人で驚愕している俺に、死神が言った。
ぎょろっとした眼球が、どことなく不気味だ。
「なー光一さん、こーゆーの見つけたんだけど」
死神は、俺の目の前に1枚の羊皮紙を出した。
紙は洋風なのに、書いてあるのは日本語。
墓場の様子からして、5世紀後の世界は和洋混合になっているのだろうか。
「えーと・・・
『今の世界は荒廃している
賊は町をうろつき 殺人は日常茶飯事
誰もが貧しく 大人は賊におびえ 子供は生きるため犯罪に手をそめる
王は暴君 重い年貢を取り立て 公開処刑を行っている
それを救うのが 桜家の占い娘 加藤家の倅
奮い立て2人の者よ 今奇跡が召喚される』」
何コレ、と思ったその瞬間。
俺と鏡の足元から、まばゆい光が放たれた。
それはあまりにも突然で。
俺はこう叫ばずにはいられなかった。
「ほ、本当になんだこれ!?」