タロットの奇跡。 6

亜衣  2006-01-22投稿
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学園から来た異世界は、何世紀も後の未来の世界だったわけで。



      タロットの奇跡。 6


「何百年って・・・ど、どんくらい?」

馬鹿な俺は、思わず意味不明な質問をした。
鏡はさらりと答えた。
さっすが俺の幼馴染。俺の意味不明な質問にも慣れているようだ。

「見た所、軽く500年は先に行っているはずです」
「ご、ごひゃくねんですか」

500年ってーと、5世紀先に行ってるんだろ?
俺等の世界が21世紀。それに5足すと・・・

「26世紀!?」

うわービックリ。
1人で驚愕している俺に、死神が言った。
ぎょろっとした眼球が、どことなく不気味だ。

「なー光一さん、こーゆーの見つけたんだけど」

死神は、俺の目の前に1枚の羊皮紙を出した。
紙は洋風なのに、書いてあるのは日本語。
墓場の様子からして、5世紀後の世界は和洋混合になっているのだろうか。

「えーと・・・
『今の世界は荒廃している
 賊は町をうろつき 殺人は日常茶飯事 
 誰もが貧しく 大人は賊におびえ 子供は生きるため犯罪に手をそめる
 王は暴君 重い年貢を取り立て 公開処刑を行っている
 それを救うのが 桜家の占い娘 加藤家の倅
 奮い立て2人の者よ 今奇跡が召喚される』」

何コレ、と思ったその瞬間。
俺と鏡の足元から、まばゆい光が放たれた。
それはあまりにも突然で。
俺はこう叫ばずにはいられなかった。

「ほ、本当になんだこれ!?」



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