?崖淵斜陽館А

亜樹  2007-02-10投稿
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真っ赤な夕陽が、男の影を、長く長く伸ばして居る。


男は35歳。

今、港を出て行く船を眺めながら、悲しい局を、小さく歌を口ずさんで居た。

「今日の連絡船にも乗って来なかったなぁ」

家族と別れ、やっと暮らしも、落ち着き、家族を、本島から呼び寄せたのだったが…

「未だ、たったの一週間じゃないか」
男は、軽く笑いながら家路に着いた。


家に着くと、男は大事な事に気が付いた。


自分の住んで居る、島名を間違えて、家族に郵送で送って居た事を。

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