……“酒と男はダメだぞ!約束だ!”…………………………………………………“気にしすぎじゃない”……………………………………“気を付けて行ってらっしゃい。楽しんできて。”………………………………………………
股のわきで携帯を持つ手に力が入る。
そのまま運転席に向かって携帯をなげつけた。
「ッッ!!」
ジョージに携帯がぶつかり、車が蛇行した。
彼がこちらを見た。
「おぃ…!」
私は何も言わずにシートの間を抜け、助手席に座った。
窓を少し開けた。
風をきる音と冷たい空気が入ってきた。
「誰かに連絡とる気なくなった。」
ジョージが視線をおとし、シートの間の床にある携帯を見ていた。
「何がどうなってるのか教えて欲しいんだけど。」
「………………。」
しばらく黙っていた。
暗い夜道。
道路を走る車はほとんどない。
「……俺は、麻薬のディーラーだ。約一ヶ月前に、正体がバレて追われてる。しばらくはあのMOTELがちょうどいい隠れ家だった。でも、予想より早く警察に居場所をつきとめられた。だから、早く逃げて姿をかくす。お前は…人質みたいなものだ。」
事態は思ったよりも悪かった。