[ザック・・・・・気をつけて・・・]
ザリッと地面と足が擦り合う音がやけにでかく聞こえた
そう呟いたクーロンが少し姿勢を低くする
[ゎかってますよ・・・!]
シャァッ・・ん
ザックの腰のあたりから不気味なほど鋭い音がした
準備は万端らしい
[誰だ!!でてこいよ!!!!]
向にそびえる一際大きな木、その枝上に見える影に
ザックは牽制する
それが聞こえていたように、その影が目の前に降り立つ
しかし、その姿、顔は・・・・・子供
[!?!?]
ほんの少しだけたじろいたが すぐに先程の冷静さを取り戻すクーロン
[(なんだ・・・・・子供か・・・・・)]
ふっ、とクーロンが胸をなで下ろす
猛獣かと思ったから内心はとても緊張していたのだ
[子供で安心したん?それか猛獣でも出るとおもってたんか〜?]
にや〜としながらクーロンを見て笑う
そう言われた瞬間にクーロンは今までにない恐怖を感じた
自分の考えを当てられた・・・?
[おいっ!!どうしたクーロン!]
まったく聞こえていない
クーロンは少女から目が離せなかった
[このびびりが]
[!!]
ヒッュと風の鳴る音がしたかと思うと、目の前に黒い影が浮いていた
[(よ、よけなきゃっ・・・左だっ)]
とっさに左に体を反らす
少女はニヤリと笑う
[左]
ばきっっ!
[クーロン!!!]
派手に吹き飛ばされ、そして木に激突した
さっき岩にぶつけて痛めていた頭の傷が開き、血が噴き出す
[う・・・・・]
ザックは驚いたようすで少女を見据える
しかし、少女はニヤリと微笑みながらザックに言った
[あたしの能力がわからんかったら・・・・・・死ぬで]