夕日がとうの昔に沈み、空に半月が顔を覗かせた。
激戦の地となった山の麓では軍の派遣部隊がキャンプを張って徹夜体制でジゴクワグマの亡きがらの処理に追われていた。
次々と亡きがらを運びだすためのトラックがキャンプ地にやって来る。
その中に綾香達が乗っているジープの姿があった。
今度はゲンが運転している。
綾香はラジオに手をかけようとした所で何かを思い出したようだ。
ゲンに問い掛けた。
綾香「ねぇ、そういえばさっき『何とか教団』って言ってたよね？さっきのアタシらを襲って来たストライカーと関係あんの？」
ゲンはタバコをふかしながら運転している。
ゲン「あぁ…、『革命教団』のことか。ワシも詳しい事はよくわからんがワシが軍の一線から退いた直後に政治が不安定になったらしくてなぁ、民衆からは『世界回帰待望論』が出てきたんじゃ。それに併せて一部の不満分子による政治クーデターが成功した時に左派の粛清部隊として出来たのが『革命教団』じゃ。だが世界統治機構には認めれない政府だったからすぐに現在の新政府に葬られたがのう」
ゲンはタバコを灰皿にねじった。
ゲン「だが、今回の件ではっきりしたことがある。ワシの友人の率いる新政府軍は旧政府の奴らを完全に始末していなかったと言うことだな。川崎の奴、ダークフィアーまで敵に奪われて多分相当カンカンじゃな…」
ゲンは苦笑いだった。
綾香は更にこんな事を聞いてみた。
綾香「じゃあ『革命教団』の目的は？」
ゲン「イマイチ分からんがさしずめ復讐といった所か…龍雅も一年くらい前はあいつらの討伐に参加しとったからのぅ…。」
綾香は何かを発見し指を指した。
綾香「あっ、あれ龍雅のストライカーじゃん」
ジープはボロボロになったディア＝パノスに近づいた。
するとすぐ横には小さなテントがあった。
ゲンはそのテントの入口付近にジープを停めた。
ゲン達はジープを降りてそのテントに入った。
中では一人の医療兵が座っている龍雅に注射を打っていた。
ゲンと綾香は安堵の表情を浮かべ龍雅に近づく。
ゲン「無事じゃったか！！」
龍雅は近づいてきた二人の存在にその時点で気が付いた。そして発した一言が衝撃だった。
龍雅「…僕の部下が…裏切りました…」
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