―2年前―\r
私達が中学3年の冬の事でした。
「華、タカは?」
「日直だってぇ。先帰っててだって。」私とタクちゃんが2人で帰っているとき、私の手をタクちゃんが握ってきた。
「華…。」
久しぶりにタクちゃんが真剣に私を見つめる。
実を言うと私はタクちゃんが好きだった。でもタカに悪いから言わないでおいたのだ。
「華さぁ…俺の事どう思う…?」
大好きです。なんて言えません…!
「タカと同じで好きだよ?」
「そっか…俺とわ違う気持ちなんだ。」「えっ」
その時のタクちゃんは学校内でわ知らない人はいないくらいのイケメン君で、ライバルはたくさんいた。
でも帰りくらいは私が独占できる。
「俺さぁ…言わないつもりだったけど、我慢できないや…。俺は華が好きだ。」
えぇ!!?
私はその時、嬉しくも複雑な気持ちになった。
でもこの気持ちはもう誰にも止められない。
「本当は私もタクちゃんの事好きだよ。」思い切って私は言った。
「じゃあ…つき合えるの?」
「…はい…」
私は少し頬を赤らめて答えた。
もちろん…タカには内緒で…。
そのあとはクリスマスまでタカやタクちゃんと仲良くやれていた。
だけど、やっぱりうまくいかないもの…。
私達が付き合っていることがタカにバレてしまったのだ。
だけどタカは私達を祝福してくれた。
自分の事のように…。そのあと、タカは私達に気をつかって一緒に帰らなくなった。
タクちゃんはやっぱりモテるから何度か一緒に帰れない日もあった。
私が1人で帰っているのを見ていたらしく、タカはタクちゃんに言ってくれた。それが私とタクちゃんの別れのきっかけ。
―1年前のクリスマス―\r
クリスマスの前日。タカはタクちゃんを近くの公園に呼び出した。
「…タク…お前、華が可哀想だとおもわねぇのか!!?」
「は?なにがだよ。俺と華の事はお前に関係ないはずだろ。」
「…この前、華が1人で帰っているのを見たんだ。その時の華はすごく悲しそうな顔をしていた。」「……」
「そんな中途半端な気持ちで華と付き合うなよ!!」
って言ってくれたらしい。
正直嬉しいし、恥ずかしい。
でもその時の私にはいらない言葉だったかもね…。
そんな事があって私達は別れ、別々の高校に行った。
なぜ今頃出会ってしまったのか…。
なぜ今頃好きだった記憶を思い出すのか…。
なぜ…なぜ……。