LAST SUMMER#3

SETTARMEN  2007-02-12投稿
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3月13日AM8時

遂に今日は紅白戦だ

9時ランニング開始なのに、俺は8時にグランドに着いた。

グランドにはまだたくさんの雪が残っていた…

だが、今日は快晴。
絶好の紅白戦日和だ!

俺はプレハブからノック用の籠に入ったボールやバット、ヘルメットを黙々と出した。


と、いうのも去年の秋今井先生が言った一言
『上手くなりたかったら誰よりも早くグランドに来なさい』

という言葉を信じているからだ。

幸いみんなが座るベンチ周りには雪がなく、荷物を置けそうだった。

俺はベンチの脇にヘルメット、バット、ボールを置いて、バットケースから一本のバットを取り出した。

練習前にする素振りは俺の日課だ

素振りをしているとチャリに乗ったちっちゃい奴がグランドに来た

白石悠都(シライシユウト)だ

背は小さいが技術は一級品。

いわゆる職人って奴だ

ポジションは二塁手
打順は2番とその技術は周りからも評価されている。

また、物事ひとつひとつを真面目にやることからみんなからは
『ユウ君』と呼ばれ慕われている。

野球部でも副キャプテンを務めている。

ユウト『コウはいつもこんな時間で来てたんだっけ?』

コウ『あぁ。ユウ君も早いな。』

ユウト『僕は家近いからね』


確かにユウ君家は藤城中から1番近い。この時間に来るのも納得だ。

ユウト『キャッチボールしない?』

コウ『おぉ、いいよ』

ユウ君とキャッチボールをしてると

タク、アキ、リュウヤ、カズマなどなどみんなが集まって9時になった。

時間になったのを見越して、今井先生が中学校からグランドまで歩いてきた。

それを見たカズマは
『チャース!!』と声をかけた。

それに合わせて全員が
『チャース!!!!』
と声をかけた。

今井先生が
『寒いからしっかりアップしろよぉ』

とちょっと大きな声で言った

それを聞いて全員が
『ヘーイ!』
と言った。

その後部員それぞれストレッチをし、

カズマが
『ランニング!!』
と声をかけた。

またみんな
『ヘーイ!!』
と声を合わせた。

そして、この日俺にとっては転機となる練習が始まった。

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