〜次の日(屋上)〜
「ふ〜ん・・・絵里がそんなことをねぇ・・・」
「そぉなんだよなぁ・・・・」
美久と、陽太が屋上で話している。
「けど、陽太だって、言いすぎじゃないの?」
「あっ?」
「絵里だって、あぁ見えて結構がんばってんだよ?」
陽太、顔をしかめる。
「絵里ね、この前道端で転んでた子供の手当てしてたんだよ・・」
陽太、無言で話しを聞く。
「そのコね、転んで血出てて泣いてて、絵里がねばんそうこう張ってあげ
ようとしてたんだよね・・・」
美久、微笑を浮かべる。
「その時ね、絵里ががんばっているのは知ってたんだけど、笑えてきて
さ」
「笑えた?何で?」
陽太が、不思議そうに問う。
「だってさ〜、ばんそうこうを張ろうとしているとき、手はガクガクで、
顔だって、真っ青で・・・今にも悲鳴を上げそうだった・・・」
「そりゃぁ、笑えるかもな」
陽太も、微笑する。
「けど、結局もぅ見てられなくて、私が行って張ってあげたんだよね」
「なんだよ・・・それ」
「でもさ、結構な成長だよ?」
「あっ?」
陽太、ビックリした様子で、美久の顔を見る。
「だってさ、前まで絵里は血を流してる人を助けようとしなかった・・。
けどさ、今回絵里は、陽太にハンカチを渡した」
「あぁっ?どぉゆう事だよ?」
陽太、意味が分からず美久に聞き返す。
「だから、ハンカチを渡したって事は、陽太を助けようとした・って事」
「!」
美久が、続けて話す。
「でもね、絵里は血も嫌いだけど、お母さん(絵里の)のことも、嫌い
なの・・・」
美久うつむいて、悲しそうな表情をする。
「?!」
陽太、驚いた様子で、美久の方を見る。美久が、話を続ける。
「そのきっかけは・・・・2年前・・・――――」