[ぅぐうっ!!]
くぐもった呻き声が美青の口から漏れる
ぎぎっ・・
キツく美青を捕らえる白い布
[あっぶなかったな・・・・クーロン]
[なに・・・・死んだと思ってたの・・?]
ニヤリと笑みを浮かべるクーロン
その表情に余裕はなかったが
だらんと地面に落ちた手からは、白い布が延びている
[ぎっ・・・・な、んなん・・・これぇ]
神闘布で捕らわれた美青は体をくねらせ脱出を図るが神闘布の方に全く変化はない
[ハァ・・ハァ・・]
激しく息切れし、その場にゴトンと倒れたクーロン
すかさずザックが抱き上げにかかる
[よく頑張ったぜお前。ほんとにさ]
ありがとう と小さく呟き、重い首を持ち上げる
[ごめんね・・・すぐに離してあげるからさ]
にこやかに美青に笑いかけ、神闘布から美青を優しく解放してやる
驚いたか呆れたか、目を丸くして目の前の2人をマジマジと見つめる美青
[なんで殺さへんの・・・・]
眉を細め。小さな声で問う
[さっき殺せたはずやで・・・なんでころさんかったんよ!!!!!]
今度は語勢を強めて聞いてきた
ざざっ
[美青っ!!無事か?]
アクスアだ
血走った瞳でザックと倒れているクーロンを睨みつける
怒りを隠さないその表情はまるで
鬼
[てめぇら!!美青に何をっ!!]
ジャキン、二丁拳銃をためらいなく2人に向ける
[はずさねぇ・・・心臓と脳みそぶち抜いたる!!]
ガじゃ
引き金を引こうとした、瞬間だった
[アクやん・・・もうええよ。あいつら大分弱ってるし、もう闘われへんやろから]
その言葉にアクスアはうつむき、すこし戸惑いながらも 美青が言うなら と、拳銃をポケットにしまう
[いつか殺してやる、覚えとけ]
[・・・・]
沈黙する美青を背負い、アクスアは再び藪の中に消えた