ギシッッ…ギシギシッッ……ギシッッ………ギギッッ…
徐々に地上が見えてきた。駐車場の蛍光灯が妙に明るかったせいで、来たときよりも外が暗い気がした。
路地に出た。
車で通った時よりは狭い気がしなかった。
歩くには充分な幅だ。
ジョージは私が見ているような光景には目もくれていなかった。
駐車場に隣接している古い建物に入った。
外観から見た感じでざっと7階建てくらいだった。
中はあまり新しいとは言えなかった。
入ってすぐにタイル製の階段があった。
タイルが傷んでかけたりしているが、上の階に行くための唯一の手段のようだ。そして、階段があるのとは逆の方の壁に1つ部屋がある。
多分、ここを管理してる人の者だろう。
ジョージがその部屋のドアの方に近づいた。
私も引かれるまま、彼の後ろに続いた。
彼は肩にくいこむベルトをいずそうにしょいなおし、ドアを二回叩いた。
中から返事が返ってきて、間もなくドアが開いた。
ドアの向こうから顔を覗かせたのは20代くらいの細身の男だった。
「部屋は空いてるか…?」ジョージが無愛想に用件を述べた。
「3階に1つ。」
相手の細身の男も対応にはなれているようだった。