はじめて気付いたのは、月が綺麗な夜だった。 夢みたいに、掴みようのない想いが溢れた。 いつか、この日この時を懐かしく、愛おしく想う日が来るのだと。 涙が頬を伝ったことに気付く必要なんてなかった。 月の光に包まれて目を閉じる。 風が耳元で囁いた。 おやすみ と。 涙は尽きることなく、光射す泉の中で深い深い眠りについた。 後ろから目を塞がれて、世界は終わった。 風の音だけが聞こえる。
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