あいつの笑顔が好きだった。俺がしんどい時にいつも救ってくれるのはあいつだった。落ち込んだらいつも隣にいてくれた。
季節が変わるたびにあいつはどんどん素敵になっていく。俺は逆に大切にしなきゃいけない事を見失っていった。
秋も近づいた頃。季節外れの海で別れを告げられた。俺も色々あって自分しか見えなくなってた。いつの間にかあいつの笑顔を守り切れなかった。
悲しくて、つらくてどうしようもない。何であの時気付いてやれなかったのか。あいつが見せた小さいサイン。人を思いやる気持ちを忘れなければ、今頃まだ一緒にいれただろう。
俺はあいつを忘れるためには、あいつ以上の女を探さないといけなくなった。
無理だよ。もう一度この腕で抱き締めたい。あの時守り切れなかった笑顔を今度こそ守りたい。