階段を上り、部屋のある3階についた。
横に短い廊下がのびていた。
ジョージは番号札とドアに書かれている色褪せた番号とをてらしあわせながら、廊下を進んだ。
左右の壁にドアが3つずつあった。
ジョージは一番奥のドアの前で止まった。
「ここだ。」
ドアには“37”とかかれていた。
彼が手早く鍵を開け、つれられ中に入る。
ドアが閉まると、ジョージはずっとつかんでいた私の腕をはなした。
MOTELよりは広いところだ。部屋の中央に大きめのベットが置かれている。
生活に必要な家具はそろっていた。
しかし…殺風景な部屋だ。ジョージが、ドアの横の床に荷物を下ろした。
しょっていた肩を反対側の手でなでながら、窓の方に歩いて行った。
そして、外を眺めているようだ。
私は、変にぽつりとベットの横に置かれた一人がけのソファに座った。
そして、また膝を抱えて灰色になった心の中に溶けこんだ…………。