3月13日 AM10時45分
本来ならバッテリーである天堂寺と不破がジャンケンをし、先攻、後攻を決めた。
不破が勝ち、余裕の表情で『先攻!!』と紅組に伝えた。
紅組先攻、白組後攻で試合が始まろうとしていた。
『11時からプレイボールだから残り15分、しっかり準備しろ〜。あと、今日は5回までしかやらないからなぁ。』
と、主審のプロテクターをつけながら今井先生が言った。
ブルペンでは天堂寺が控え捕手の布川とピッチング練習をしている。
相変わらず速い!!
ショウ
『おい!布川!今日は1点もやんねぇぞ!』
特別ルールを知ってか知らずか天堂寺がこんなことを言ったもんだから、動揺した布川は
『おう〜↑』
と声が裏返った。
それを聞いた天堂寺は微笑して
『緊張してんじゃねぇよ!』
と言った。
【1塁側紅組ベンチ】
龍夜と一真が投球練習をしている為、ユウ君がこの場を仕切った。
『ショウには悪いけど、ここは取れるだけ取って春の大会いいスタート切れるよう頑張ろう』
ストレッチをしながらアキが口を開く
『まず、俺が出ないことには始まらないな…』
チーム1の俊足でリードオフマンでもあるアキは一打席目を重要視しているようだった。
隣では黙々とバットを振り続けるタクがいた。
『ショウと対戦かぁ。おもしろそうだな…』
特別ルールを抜きにして、完全にタクは勝負を楽しもうとしていた。
流石藤城中の4番を打つだけのことはある!
と、俺は感心した。
キョウスケもタクと同じくショウと対戦できることを楽しみにしてるようだった…
『遊びでしか対戦したときないからなぁ…打ったら打順上げてくんねぇかなぁ…』
と広角打法で、右打ちの上手いキョウスケは、これを機に打順UPを狙っているようだった…
橘と慶太はお互いのポジションについて話していた。
ケイタ『いいか。橘!ファーストは体で止めるんだ!絶対後ろに逸らすなよ!』
橘『はい。わかりました。』
お調子者のケイタはやっぱり後輩の前でも調子にのっている…
そうこうしている内に11時になり、今井先生がみんなを集めた。
『集合〜!!』
いよいよプレイボールだ!