ぱずる、、〔十五 ピース〕

ホッチ  2007-02-15投稿
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『ノリユキ、、?』

家の中へはいると、古びた木の臭いが変に心地好く。
歩くたびにキシむ床も、いやにおかしかった、、。

「ここが君の家?」沈黙に耐えきれず、当たり前の質問をしてみた、、。 「いいぇ、、」 、、困惑しながらも、進むがまま付いていく。そのうち突き当たりの座敷へたどり着き、席をすすめられた。
私は言われもしないが正座にて腰を落ち着かせることにした、、。

お茶でよいかとの彼女の問いに、無言でうつ向く、、。
暫くすると目の前に梅コブ茶が良い匂いを漂わせ、和みの空間が部屋に広がるのがわかった、、。

机を挟み私の反対にいる彼女、、縁側から見える柿木を眺め、呟くように口を開き始めた。

「良い天気ね、、。」

私はコブ茶をススリながら、返事をする。

相変わらず外ばかり眺めている、まるで私には興味がない様子だ。
長居するのも申し訳なく思い、相談とは何なのか切り出してみた。

「私ね、、ずっとこの景色に憧れてたの。
太陽の眩しさ、鳥や草木の演奏。早く外に出たかった、、。」

意味がわからない、、。
返す言葉もなく彼女を見つめる。

「でも、願いは叶わなかった。
今はもう想像でしかこの景色をみれないし、高校生にもなれない、、まだ気付かない?ノリユキ、、。

これ私が創った世界よ。」

!! 彼女の言葉に驚き、もう一度辺りを見渡した!!

そこは薄暗い手術室だった、、。

彼女は幼く、私を見据えている、、。僕は大学生に戻っていた。

「私すごいでしょ?なんでも出来るし、なんにでもなれるのよ、、。

ほれっ!こんなかんじや、ワシのこと覚えとるか?」

最近頭の中で囁いていたおじさんの声だ、、。
恐怖と困惑で、頭が真っ白になる。

「な、なんで、、。なんで僕達を呼んだの、、?、、それに君は誰!?」
「私は ヒトミ、、。死人、、。別に貴方じゃなくても、誰でもよかった、、ただ私は友達が欲しかっただけ。それだけのこと。」

その言葉を聴き、私の意識は薄れていった、、。

「あぁ〜あ、、壊れちゃった、、」

病院に微かな笑い声がコダマした、、。


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