[血ぃ止まったかよ]
ザックがはぁっとため息ついてクーロンに問い掛けた
[・・・・うん・・まぁ止まった・・・・かな]
曖昧な回答をし、神闘布を頭に巻く
バンダナのようにしてみたが神闘布は長いので巻きずらい
[じゃあ行こうぜ〜、青とかも気になる]
うん
とだけ言って
ゆっくり立ち上がる
[そうだね・・・・心配だよ・・・・]
ハハと軽く笑い、テケテケと歩き出した
[お前もな]
ビクッ
クーロンの足が止まる
背後ではザックが睨んでくるのが感じられた
[知ってたんだ・・・・]
苦笑いしながらユルリと振り返るクーロン
それでもザックの視線は厳しい
[ホントは凄く怖いよ、なんだか知らないけど。段々・・・声が出なくなっていくのが、怖い]
初めて聞いたクーロンの本音
正直 女みたいな奴だと思っていたが
芯だけはシッカリと太い
泣きそうになりながらも必死に笑いを作るところはクーロンらしい
[レインと会ってからだろ、それ]
言われると小さく頷いた
多分これ以上
この症状が悪化するのが怖いのだろう
[このままじゃホントに声出なくなるぞ]
きびしい指摘を受け、肩を竦める
だが、それは事実だ
[でもレインを責めないでね、レインは悪くないから]
ニッコリ微笑み、ザックに念押しする
その姿はどこか痛々しい
[わかったから・・自分の心配もしろ]
微笑むクーロンの横をザックが呆れた様子で抜けていく
[・・・・・・]
クーロンは微笑むのを止め、自身の喉をさすりながら憂鬱そうな顔をする