LAST SUMMER#14

SETTARMEN  2007-02-18投稿
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3月13日 紅白戦
【2回表2死3塁】

打席には菊川。右打ち。

菊川の打席を見ながら、俺は去年の秋の大会後の事を思い出していた…

【秋の大会後の練習後】


タク『自主トレしねぇで帰るやつ多いな…』


アキ『だな…新人戦(秋の大会)で3位なったから天狗になってんじゃね?』


そう。新人戦では準決勝で破れ、3位だったのだ…


黙々と素振りをする二人に俺は声をかけた。

コウ『お前らはまだ出てたからいいよ…俺なんか出てないんだぜ。1試合も。マジでてぇよ…』


タクがそれに答えた。

『お前はもっと練習試合で結果ださねぇとダメだな。まず振ってみ。』

タクは振っていたマスコットバットを手渡した。

……………ずっしりと重い。

とりあえず一回振ってみた。

ブン…

かすかにだけ『ブン』と音がした…

タク『ダメだな…完全にバットに振られてる…それにひどいドアスイングだ…』

タクの言った言葉に少し腹が立ったが、あながち間違いではないのでこう切り返した。

コウ『お前よくこんなの振れるなぁ。家でどんな練習してんだよ。』

するとタクは

『とりあえず数振るしかねぇんじゃね?まぁコウの場合は筋トレも必要だけど…』

コウ『そうかぁ…』

控えと4番の差はこれほどまでか…と落胆しながら俺は答えた。


すると、隣で本来左打ちであるアキが右で振っていた。

それを見た俺は
『アキって左打ちじゃなかったっけ??』

と聞くと
アキ『あぁ、そうだよ。右で振ることも筋力強化につながるからね』

と答えたので、試しに逆の左で振ってみた。

!!!

それを見たアキとタクは同時に

『お前、左の方が良くね??』

と言った。

コウ『まさかぁ…』

と言ってもう一度振ってみると、右とは違った感覚が俺に伝わってきた…

こっち(左)の方がシャープに振れる!!

すかさずタクが
『絶対そっちの方がいいって!俺明日今井先生に言っとこうか?』

と言ったので

『マジで?じゃあ左なろうかなぁ…』

と口では冗談半分で言った俺の心の中は『イケる!』という思いでいっぱいだった。

左打者八神光輝の誕生だった…



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