[はなして!]
[ダメ]
スンがレインの手首を掴んでいた
[レイン帰ろう、天界に帰ろう]
呪文のように唱えるスン
[スン、いい加減にしないと・・・]
レインの黄金色の髪が、静電気で逆立つ
それでもしつこくスンは続けた
[帰ろう、レイン。僕と天界に帰るんだ]
ピリッ
あたりの空気が変わる
瞬間・・・!!
バリバリバリバリっっっっっ!!!!!!!!!
レインの手首とスンの腕を通し、多大な量の電気が流れた
ぼぉぉん
小爆発が起こり、スンの周りは煙で満たされる
[いい加減にしろって言ったじゃん]
レインはゆっくりとスンから離れ、低い声で呟き。空に消えた
[・・・僕のレインさんを取るなんて・・・・]
まるで地獄から這い出てきた悪魔のように
うめきながら立ち上がるスン
[殺してやる・・・・殺してやるぞ張九龍・・!!]
怒り、恨み、妬み
あたりを黒い気配が支配する
[まさかスンがいるなんて・・・]
レインは少し焦り気味に呟く
今、レインは藪の遥か上空を飛んでいる
しかし藪はかなり広く、なかなか青達を見つけることはできない
[アイツがあんなぐらいで死ぬわけない・・!すぐにでも追ってくるかも・・・]
考え込み、スンが言っていた言葉をふと、思い出した
『声を奪うだけじゃダメだったか・・・・』
声を奪う?
『あの地上人に洗脳されている』
あの地上人?
[まさか・・・スンはダーリンを殺しに?!]
レインは飛ぶ速度を上げた
[ダーリン!!]