LAST SUMMER#17

SETTARMEN  2007-02-18投稿
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3月13日 紅白戦
【2回裏】

打席には打撃でもチームの中核を担う4番、天堂寺。


マウンドはエースナンバーこそ天堂寺に譲っているが、投手としても抜群のセンスを見せる滝本。

第1球。


アウトローのストレートにやや引っ掛け気味に打った天堂寺の打球はショートへ!


来た!!


と思ったのも一瞬だった。

引っ掛け気味だったがしっかり捉らえていた天堂寺の打球は俺のグラブの下をショートバウンドで抜けていった…


俺のグラブの下を…


転々と左中間に転がるボール…


いわゆるトンネルという奴だった…


駿足の北条が何とか追い付いたが、俺が中継でボールをもらう頃には天堂寺は3塁まで達していた…


トンネル3ベース……


リュウヤの顔を恐る恐る見ると…

苦笑いして
『お前のエラー許容範囲だ』

と言った。

タク、ユウ君が次々と

『切り替えろ!』

と言うのが聞こえた。

白組ベンチは大盛り上がり!

『もっかいショートだ!!』

『ショート穴よ〜』

などといった罵声が止まない。


カズマが
『ノーアウト〜、ランナー3塁!内野バック!外野タッチアップ!』


と叫んだ。

全員が

『ヘーイ!!』
と応えた。


続く5番は布川。

足は遅いが、長打はある。

流れを取り戻そうとバッテリーはカーブみっつで勝負した。

これがドンピシャリ!

みっつとも簡単に振った布川はあえなく三振した。


1ナウト3塁。

6番はライトの三野。

その初球。

アウトハイ、ボール気味に外したボールを三野は強引に右に押っつけた。


打球はライトへ。


まさか!!と俺は思った…


予感的中…


丸山が漫画のようなバンザイ。


打球はライト奥深くまで転がっていった…


駿足のセンター、北条もカバーに入り切れずそのまま三野はホームに還った。


明らかにエラーでのホームランなのに、三野は『ヨッシャー!!』

などと大袈裟に喜んでいた…


コンバートした俺とケイタ。
この二人が紅組の足を引っ張っているのは明らかだった…

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