綺麗な涙【嬉しくて】

ピアニッシモ  2006-01-23投稿
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『私、みぃって呼ばれてまーす!』私は嬉しかった。本当に嬉しかった・・・。

それからというもの、彼と私は仲良くなった。私は信じられなかった。こんな展開、本の中だけに起こるものだと思っていたから。

『なぁ、みぃ。ちょっとこっち来て。』 彼がザワザワした教室から私を廊下に呼び出した。
『どうしたの?健司?』
『明日、空いてる?』彼は私似言った。
『えっ?空いてるけど。』
次、彼が言った言葉がいまでも耳に焼き付いている。
『じゃあ、明日二人で映画観に行こうか?』
二人で遊ぶ。私はこの時、初めてデートに誘われた。今、大好きな人がいるのならこの時の私の気持ちがわかるだろうか?

日曜日、待ちに待ったデートの日。しかも今θは私の誕生日でもあった。
昨日、1時間かけて選んだ服を着て、髪型をセットした。
ワクワク&ドキドキしながら待ち合わせ場所に向かった。

彼はもう、待ち合わせ場所にいた。遠くから見るとやはりかっこよく、一番優しそうだった。
『ごめん!待った?』私は彼の前まで行って話しかけた。
彼は
『全然。今来たところ!』
と笑顔で答えてくれた。
・・・。ここからどうすれば良いのか迷い二人でだまってしまった。
でも、笑い声がその沈黙を破った。
『ハハハハハ!』 いきなり笑い出した彼を見てますます分からなくなってしまった。どうすればいいの・・・?とまじめに思った。でも、
『あ〜ごめん。なんかおかしくって。』
彼はやっと正常に戻って言った。
何がおかしかったのだろうか。私はそのままだまっていた。
『いや・・・。初めて話したトキも沈黙したなって思って。』
私は彼と初めて話したことを思い出した。 確か同じようにだまってたいたかもしれない。こんな小さなことも覚えてくれていたんだと私は本当に嬉しかった。

映画の内容はハッキリいってあまり覚えていない。彼が隣りにいるというだけで、緊張して映画どころではなかった。

私達はそれから、静かな公園のベンチに座った。風がほてった顔に心地よかった。
『みぃの友達から今θが誕生日だって聞いたんだけど・・・。』
彼が隣りで言った。
『うん。そう。私今日で17才なの!』
嬉しかった。本当に・・・。
『それで、プレゼントあげたいんだけど。』彼は私を見つめて言った。
『俺、みぃのことが好きなんだ。』


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