甘え、られもせず。

エミ  2007-02-19投稿
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母は小柄だ。

母は小太りだ。

母は短気だ。

母は短足だ。

でも、毎日笑顔を絶やさない。
そんな母、ぼくは気に入っている。

度々叱られはしたが、いつものことだとなかば聞き流していた。

中学に上がると、反抗期なるものが沸き上がり。
よけいと言うことを聞かなくなった。

帰りも遅くなり、友達と遊んでる方が楽しかった。母は少し淋しそうだ。

11月 3日

いつもの様に遊びに行き、いつもの様に遅くなり、いつもの様に家へつき、いつもの母はいなくなっていた。

机に書き置きが一つ。

『お母さんが倒れた、お前は今。どんな気持だ。』

父の字で、この言葉と病院の場所が書いてあった。
泣いていたのか、所々字がニジんでいた。

何もできなく、ただその書き置きを読み返していた。
病院へ行くことが申し訳なく感じた。

行っても何が出来るのか、どんな言葉を伝えられるのか、後悔しても償えるのか。

紙を握り締め、いるわけもない神に祈った。
都合がいいと思われても構わない。
母が助かるのならなんでも捧げると、自分を殴った。

朝になっていた。

朝日は何も知らず昇り、スズメは何も知らず鳴いた。

電話が鳴り、父から言われた。

「人間は無力だ、、。」

それだけを僕に伝え、電話は切れる。

その場にしゃがみ、ひたすら哭いた。


母は小柄だった。

母は小太りだった。

母は短気だった。

母は短足だった。

ごめんなさい。ごめんなさい。

バカな僕だけど産んでくれてありがとうございます。

また僕を叱ってくれますか?


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