思わず即答してしまい、口を押さえる。
動揺してんの、バレたかな。
でもユカリは特に気にした様子はなかった。
『そっか。あ、久しぶりね。2週間ぶりくらいかな。』
「そうだっけ?」
できるだけ普通に言ってみる。
「そうよ。元気?」
「まぁまぁ。」
『まだ店長とうまくいってないのね。それか友達とケンカでもした?』
まただ。ユカリの18番。
「なんで。」
「当たり?ふふ…」
「お前は超能力者か。」
「リョウに関してはね。」
声を出して笑う。
久しぶりだな〜この笑い声。
つーかその言い方……なんか俺特別みたいじゃん。
って、俺なににやけてんだよ。
『ねぇ。』
一人で葛藤してる俺に、ユカリが言った。
『明日会えない?』
頭が真っ白になった。
イヤミな店長もトモヤとのケンカもアキの顔もあの夜のことも………全部どーでもよくて。
ただ頷いた。
『リョウ?聞いてる?』
「俺に………会いたい?」
声がかすれる。
心臓が破れそうだ。
一瞬の沈黙のあと
『会いたい。』
「………っ!」
ユカリの一言に、俺はやられた。
明日の約束をして電話を切ったあと、小さく呟く。
俺も、会いたい―――