第一話
イ…イノ?……
…
…
ん……………
体に力が戻って来たみたいだ……
「ってゆうかここ何処だよ……」
断片的な言葉に目を覚ました
体の各部分に異常がないことを確認しながら俺は起きた
(ん?)
明らかに自分がいたところではない
鬱蒼と茂る森――しかしざわめきのなかに光は差し込む……木葉の重なり合う音が何故か聞くだけで風を感じさせた……
……
…綺麗だ……
こんなとこテレビでだってみたことない……
木々の隙間から漏れる光の筋が束になり道になっているよう……………ん?…………あっ!!!
誰か倒れている!?――走る――――
走っている間に少し説明しておこうか、
俺は
黒川徹(くろかわとおる)
とりあえず普通の高校生のはずだ。
「おいっ!!!生きてるか!?なぁっ!!」
肩を揺さぶる
「んっ・・・あれ??徹??おはよう〜……なにしてるの??」
ガクッ
「なんだよ愛じゃねぇか」
俺はこんな今まさに――冬眠から覚めました−−みたいなやつのために……走ったのかよ・・・
とりあえず言っとくと、コイツは
白鳥愛(しらとりあい)
俺の幼なじみで同じ高校に通っている
「ってかここ何処か分かるか??」
「ん〜ん、わからないよ。だってテレビでも見たことない風景だもん」
(俺と一緒かよ)
なんとなく悲しくなってくる
まぁその悲しさはさておき……そうだろうな、こんなトトロいそうな森……全く見当皆目つきやしない………
っつうか、なんでこんなとこにいるんだ??
ここにいるからにはそれまでの過程があるだろうが、過程がっ!!
俺は頭の中にあるはずのここまでの記憶を手繰りよせた……
そう俺達が何故ここにいるのか見つける為に――
続く……