LAST SUMMER#19

SETTARMEN  2007-02-21投稿
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3月13日 紅白戦
【3回表】

白組2点リードのまま、天堂寺攻略作戦が始まった

打席は9番、丸山。

『こいやぁ〜!』

などと威勢はいいが、打てるのだろうか?

………………。

『バッターアウト!』

ストレートみっつだった…

『打てねぇよ…あんなん…』

なんて言ってベンチに帰ってきた。

打順は一回りして1番北条。

『こっから作ろうゼェ。』

カズマが声をかけた。

頷いたアキは、初球外角高めから真ん中へ曲がるカーブをセーフティーバントした。


絶妙!!

アキの伝家の宝刀セーフティーは、見事に勢いが死んで3塁線に転がった。

流し打ちを警戒してやや後ろに位置していた白組サード、進藤がダッシュしたが、ボールを捕る頃にはアキは一塁ベースを踏んでいた…

『いいねぇ?。逆転しようぜぇ。』

リュウヤが言った。

タクも『いいぞ〜。東のイチロー!』

と喜んでいた。

続く2番は白石。

その初球。

アウトハイを見逃したユウ君は2塁上を見ていた。

初球スチール。

アキはその駿足を活かし2塁を陥れた。

1アウト2塁。カウント0-1。

白石に対しての2球目。

真ん中から外に逃げるカーブを白石はいつもより大袈裟に踏み込んで空振りした。

と、同時に白組野手陣からは
『走った!!』

と声が響いた。

捕手、布川が3塁送球も間に合わず。

3盗成功。

アキは自分の足で大きなチャンスを演出した。

1アウト3塁。BigChance。

カウント1-1からの3球目。

白石は打席を外し、タイムをとった。

『タイム!』
今井先生が叫ぶと

白石は靴紐を結び直した。

カズマが
『くるぞ。必殺の連携プレーが…』

と小声でいった。

『プレイ!』

ランナー3塁ということもあり、天堂寺はセットからワインドアップに変えた。

しかし、これが仇になった。

天堂寺が振りかぶった瞬間、アキが絶好のスタートを切った。

『走った!!』

進藤が叫ぶ。

『ホームスチールぅぅ!?』
ケイタが馬鹿みたいなことを言った。

白石はバントの構えをした。

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