カンソウシンドローム ?

エミ  2007-02-22投稿
閲覧数[503] 良い投票[0] 悪い投票[0]

まだメールなど発明されていない時代。
私は見ず知らずの人達と言葉を交換し楽しんでいた。

私の家から徒歩十分ほどで駅につく。
気まぐれでしか来ない駅員と、暖をとりにわざわざここまで来る老夫婦。

人もまちまちで、失礼ながら経営的に不安に思ってしまうほど寂れた駅だった。

待合室の片隅、破けたポスターの横にそれがあった。

ある日、遊びすぎて電車に乗り遅れたときがあり。
暇をもてあましていた。

田舎のこの駅は、一度乗り過ごすと一時間はやってこない。なんとも都合の悪い駅なのだ。

ただ待つ一時間はとても長く、五分経つのにこの時計大丈夫か?と疑うほどゆっくり時を刻む。

意味もなく辺りを見渡し、面白いものがないか探る。
ポスターの横に小さな伝言板があった。
利用者は勿論いるわけがない、こう言うのを無駄遣いと言うのだろう。

少しでも活用してやろうと、けして暇潰しのためではけしてない!!

一つ書き込みを残した。

『電車に乗り遅れ、待ち惚け。
白馬に乗った王子様、私を迎えに来て!!

姫より 』

何を書いているのか、、自分で苦笑しつつ、やっと来た電車に乗り込むのであった。

数日後、、。

何気無く駅を利用すると、例の伝言板が目についた。
そう言えば書いたな。
半場忘れかけていた、久々に見ると。
素晴らしい!!誰か答えてくれている。

『おぉ〜姫!!
せっかく迎えに来たのに彼方は何処へ行ってしまったんだい?

盲目の王子より 』

目、見えなきゃ逢えないじゃん!!
しばらく爆笑し、追加で言葉を残す。

『王子様!!助けて!!
私はあの後、盗賊に拐われてしまったのです。

暗い、、早く助けてぇ〜。

姫より 』

拐われてちゃ書き置きできないじゃん!!
自分をツッコミながらその場をさった。

変な、それでいて楽しみなやりとりが始まった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 エミ 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ