騙し絵の中2

くま  2007-02-24投稿
閲覧数[274] 良い投票[0] 悪い投票[0]

15歳の時に街を一人で出て 東京に来た。
祖母が亡くなり、恋人の家に入り浸る母親にも 子供っぽい級友達と過ごす高校生活や 生まれ育ったこの田舎町にも 一切の未練はなかった。
ただお金が欲しかった きらびやかな世界に憧れ分かりやすい幸せを手にして、 即物的な欲求を満たしていれば 私はそれでよかったから。
新宿の歌舞伎町という街は なんでも手には入る魔法の街だった。 年をごまかしてクラブで働き 高価なドレスは使い捨てのように 毎日違う物を着て 一生の愛を誓うために贈られるようなリングを何個も所有し 炭酸がきついだけで美味しくもないのに高いだけのお酒を飲みながら 不動産屋の社長と新築マンションを賭けてゲームをしたりした。 まるで快楽のかけ流しのような毎日だった。
彼に出会うまでは。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 くま 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
アプリDLで稼ぐ!
“Point Income”


▲ページトップ