『黒いスーツに黒いネクタイなんて葬儀屋みたいだなぁ。しかし顔が変わるとは・・・しかも体全体が変わってるし。』
敬は鏡の前でスーツに着替えていた。しかも何故かこのスーツ袖の所にファスナーが付いている。
『それにしてもネクタイって一体どうやって絞めるんだ?全然わかんねぇ。』
敬がネクタイを絞めるのに苦戦していると先程ナイフを突き刺した男が部屋に入って来た。
「おい!何をもたもたしているんだ!!早くしろ!!」
「そんな事言われてもネクタイの絞め方がわからないから・・・それに俺まだ中三なんだぞ!!」
「何!?お前まだ中三って事は15歳なのか!?」
「そうだよ。それより早くネクタイの絞め方を教えてくれ。」
男はネクタイの絞め方を教えたあと二人は部屋を出た。部屋を出るとそこは高級ホテル廊下の様になっていて赤い絨毯が敷いてある。そして2人は隣りの部屋へ入った。
ガチャ
その部屋はイス以外何も無い部屋だった。
まるで入試などの面接会場の様に一つのイスと向かい合う様にに6人の男がイスに座っている。しかもみな黒いスーツに黒いネクタイをしていて全員美形である。
「敬様を連れて参りました。」
敬を連れて来た男はそう言うと会釈をし部屋から出て行った。
「まぁそこに座れ。」
敬から見て左から二人目の男が言った。
「一体何をするつもりだ?」
「そう警戒するな。それに俺達は同族なんだから手荒な真似はしない。」
「同族!?」
「そう。中身はオニで見た目は人間だ。お前と同じ様にな。」
「・・・それであんた達は俺をどうするつもりなんだ?」
「お前を仲間に入れようと思っている。」