SKY・BLUE

刹那  2006-01-23投稿
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「見て、拓海。」

そう言い彼女は手を空に掲げた。
「 なんだよ。」
俺は手の向こうに広がる空を見上げた。
「世界が二層になってるよ。」
「二層?」

なるほど彼女の言うとおり空は二層だった。

空は中程で水平に伸びる雲によって分けられ、天にはもう一つの世界があった。
「ねぇ拓海。あれをヘブンと呼ぼう。」

彼女は俺の手をとりながら言った。
俺はその手を握り返して答えた、
「ヘブン?お前の夢見ぶりには感服するよ…」



二人で手をつなぎ帰った、河川敷のこの土手に、今は一人で立っている。


彼女、
カノンが消えて一年が経った…



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