君に捧ぐ 〜4〜

k-j  2007-02-28投稿
閲覧数[667] 良い投票[0] 悪い投票[0]

君に初めてあったあの日。僕は浅草に行った帰りだった。
君に話しても信じてくれなかったけど、僕はあの日浅草寺で願い事をしたんだ。
『いい人と出逢えますように』
その夜に君に出逢った。ベタ過ぎて信じられないのもわかる。僕自身も呆れるほどのベタさだ。
だから君が声を掛けてきたときは本当に驚いた。しかも女の子に声を掛けられたことなんて一度もなかったから、二重に驚いた。
僕らはお互いにお子様だった。君は僕に最初に言った言葉を覚えているだろうか。
「あの……、私達今日花火したんですけど、余っちゃったんでよかったら使いませんか……?」
今思うと可愛いとしか言いようがない。その時は12月も終わりの年の暮れだった。しかも場所は帰りに連れと寄っていたマクドナルド。君も何人かの友達と僕らから少し離れたところ座っていたみたいだった。
 いつもだったらこんな突っ込みどころ満載の発言を前にしたら、大人しくしていられない僕だったが、思いもよらない展開についていけず、
「あっ、じゃ、じゃあせっかくなんで貰っときます。ありがとうございます」
突っ込みを入れるどこれか、完全に声が上擦っていた。
これが君と初めて交わした会話だった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 k-j 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ