夏。暑い日が続く。
私は死のうとしていた。
山口美里16歳。
私は名前を呼ばれた事が無い。
友達にも先生にも。そして両親にも。
愛情というものを知らない。
両親は3歳の私をアパートに置き去りにして姿を消した。
そのまま保護されて施設に入れられた。
小学校へ入るなりいじめを受けた。
中学へ行っても同じ事の繰り返し。
だから私は中2から学校へ行かなくなった。
それから起こった事が私を自殺へと追い込んだ。
恋。裏切り。レイプ。
生きる意味が分からない。
私が死んでも悲しむ人なんていない。
私はビルの屋上に立っていた。
つづく