ふと糸が切れたように、激しく泣いたかと思えば、
手首に傷をつけて、毎日小さなストレス解消をしていた。
死にたかった幼い頃。
…物心ついた時に父の存在はなくて、母の離婚の事実も意味さえわからないまま、只毎日暮らしていた。
幼心に、もう父はいないと理解はしていた。
ある時母は、私に言った。
「ナミちゃんのお父さんは死んだの。でもお母さんがいるから寂しくないね?」
寂しかったけど、私は母の気持ちを察して、寂しくないと応えた。
父は私が幼い頃に死んだ。
後から聞いた話だと、肺癌を患ったそうだ。
そして母は離婚後、実家に戻り、細々と幼い私を連れて働き、懸命に育ててくれた。
人は、独りじゃ生きていけないけど、子は片親でも生きて行ける。
そんな母が私が4歳になった頃、再婚した。
私の人生最大の危機になりうるとは、もっと後から気付く事になる。