この話は今から70年前の1937年の話だ。
ここは関東地方のとある刑務所。
この刑務所に勤務する中嶋弘太は朝から憂鬱だった。何故なら・・・
死刑を執行しなければならなかったからだ。
『まさか俺がやる事になるなんて・・・ついてないなぁ・・・』
「よぉ中嶋!!」
「!?」
後ろから声をかけられて振り向くと同期の佐東晴義がいた。
「とうとう死刑執行だな・・・」
「中嶋そう気を落とすな。俺だって死刑囚を死刑台まで護送するんだから。」
「お前は護送するだけだけど俺はスイッチを押すんだぞ!!嫌でも気を落とす・・・」
絞首刑を執行する時、死刑囚は死刑台に立たされロープで首を括った後、5つのボタンをおして死刑囚の足下が落とし穴の様に床が開いて死刑囚が死亡するというシステムになっていた。
「まぁスイッチを押す係が5人いるのがせめてもの救いだろうな。」
「確かに・・・でもな一つ疑問がある。」
「何だ?中嶋。」
「あの死刑囚・・・まだ16歳何だろ!?どんなに悪い事をしても少年法が適応されて死刑なんか出来ないはずだろ?」
「その事だけど・・・何か国からの命令らしいんだ。」
「政府が関係してるのか・・・」
しかしまだ驚愕の事実を彼等はまだ知らなかった。