「おはよう直人!!遅刻なんて珍しいね。」
直人が席に着くと隣りの席の紫色の目が特徴的な田中艶子(よしこ)が話かけてきた。
カラーコンタクトを着けている訳でもないのに紫色の目をしている艶子はかなり目立つ存在だ。しかし全校生徒67人の中学でしかも小学校の時からクラス替えなんて一度もしたことも無いので今更気にする人など居なかった。
「ああ、ちょっと目覚ましが壊れててな。」
「へぇ〜朝からついてないないねぇ。」
今日も朝のホームルームが何事も無く過ぎて行く・・・と思いきやホームルームの最後に高橋が非日常な話をした。
「昨日近くの〇〇刑務所で服役中の強盗犯が脱走したという情報が入った。皆登下校の時はなるべく一人で登下校しない様に。」